Age of Renaissance (AH)をプレイしよう(文章の著作権者TTB)
1.このチャプターの起稿にあたって
標記のエイジオブルネッサンスについて、私は大変よくできたゲームであると、自分のホームページに書いております。しかしながら、実際にこのゲームをプレイされて、その面白さ、奥の深さ、そして適度なランダム性を味わって、このゲームの良さを堪能してもらうには、いろいろな障害があることが最近わかってきたような気がします。これは、私のプレイ経験(7回、1998年5月末現在)から、感じたことです。従って、「私個人の意見」であることは予めことわっておきます。
では、何故このような事を書くのかと申しますと、「いいゲームなのでたくさんの方にプレイしてもらいたい」との理由からです。それ以上のものでも、以下のものでもありません。
また、このチャプターは、エイジオブルネサンスの初心者を対象にしております。中級者、上級者の方むけではありませんので、予めご了承ください。
2.プレイ前の心得
プレイ前の心得というのも大袈裟ですが、このゲームに対する認識を深めてもらうために、これを設けます。(これらは他の長時間マルチゲームについても当てはまると思います)
プレイ時間が6〜8時間程度かかります。したがって、一日拘束されることを予め覚悟してください。このゲームは、途中だれさせないための仕掛けが多く施されているので、充実度は大丈夫とは思いますが、一日拘束というのは予め考慮しておいてください。
したがって、狭い意味での勝利者は1人しかいません。このために、他人に対して実生活では絶対にしないような非道なことをすることがありますし、されることもあります。
もし、他人の妨害をする場合は非情に徹してください。また、酷い行いをされても、そのゲームが終了したら忘れてください。ゲーム中(例えば次のターン)に忘れるのが、最善だと思うのですが、それは難しいでしょうから、せめて、ゲーム終了後は、水に流してあげるだけの度量が必要です。
このゲームは偶然の要素があります。つまり、カード、ダイスなどが介在するゲームです。将棋、囲碁や1830(AH)などに代表される運の要素無し、と言われるゲームとは違うように見えるかもしれません。
しかし、初心者が所謂ビギナーズラックで勝つことはできません。その理由は、勝利条件に3つの「変数」が存在し、その変数が相互に関連付けあって偶然の介入を阻止する要因となっているからです。逆にゲーム2回目からは勝つ可能性があります。
1回目で勝てるという方は、この後を読む必要はありません。
当たり前のことですが、ゲームしているのはプレイヤー自身です。自分のために行動しましょう。
その結果負けたとしても、もともと6人プレイの場合は勝てる確率が6分の1しかないので、しょうがありません。
むしろ、マルチゲームの場合は如何に勝とうとして負けるかという過程が重要です。自分の考えで行動し、その結果負けたとしても、悔いは残りません。
世の中には、いろいろアドバイスしてくれる人がいるかもしれません。このゲームに限りませんが、所謂、「教えたがりの人」もいます。その言を聞く耳を持つことは大切ですが、そのとおり行動する手は必ずしも持つ必要はありません。
もちろんこのような事を書いている私の言にしたがう必要もありません。
私のゲーム紹介でもふれていますが、初心者は経験者に食い物にされやすいこと、また上述の過度の(アドバイスという名の)戦略の押し付けによる問題があります。この結果として、ゲームのプレイヤーとして有為な人材を失う可能性があり、それは私の本意ではありません。
私は、私のページを見て1人でもゲームする人材が増えてくれると嬉しいです。逆に、ゲームをする人が減ると悲しいです。
このゲームに限らず、ルール和訳がない、遊ぶ相手が居ないなどの理由でゲームが衰退することは、なにより辛いのです。
このページの先頭に戻るそこで簡単に考えると、前2つを上げ、ミザリーを抑えることができれば勝利です。ところが、実際にはそう単純ではありません。
例えば、「文明のポイント」を上げるためには、文明を「所持金」を使って、購入しなくてはなりません。この時、「文明ポイント」は上がりますが「所持金」は減ります。また、宗教関連の文明を購入すると「ミザリー」が増加(悪化)します。
この一種のジレンマにうちかって、勝利ポイントを積み重ねないといけません。
では、文明を購入することによるメリットとは何でしょうか。次のようなことが挙げられると考えられます。
他の勝利条件に比べて、大きく異なっているのがこの点です。つまり、増加減少を繰り返す所持金とミザリーに比べて、文明ポイントはいったん購入してしまえば、決して減少することなく、ゲーム終了時の勝利ポイントに必ず加算することができるのです。
文明ポイントには、その殆どに同系統の文明を購入する際のクレジットがついています。したがって、購入時に同系統のクレジットを利用することにより、文明を安く購入できます。これは、そのクレジットの分だけ所持金の減少を節減できるため、勝利ポイントを増やすうえで極めて重要です。
文明を持つことによって、上に挙げた以外にも様々なメリットがあります。すなわち、ゲームの駒(トークン)を移動しやすくしたり、収入・現金を増やしたり、ミザリーの悪化を抑える、またはミザリーを軽減するなどの効果があります。特に重要なのは6分野ある文明の揃え方によってミザリーの軽減がしやすくなるということです。ミザリーの軽減については、文明をバランス良く揃えるという方法がもっとも効果があるので、購入はできる限り、各分野の段階の足並みを揃えて購入していくことをお勧めします。
マップ上の土地にトークン(■の駒)を配置して、都市(●のこと)を獲得して収入を上げましょう。序盤は特にこの収入が大切です。その土地に記入されている数字の数だけトークンを配置すればその土地はあなたのものです。都市数は多ければ多い方が良いにこしたことはありません。できるだけたくさんの都市を得て、収入フェイズでの収入を増やし、所持金としましょう。
これは最も確実な収入でカードなどに関係なく得られるものです。
カードプレイフェイズに商品カードが出された時に、その商品と同じ商品を産する都市数によって収入が入ります。この収入は大変大きく、ゲームを通じて、どの局面でも重要になります。これが勝敗を左右するといっても過言ではないでしょう。
例え都市数は少なくても、ある商品の産地をたくさん押えていると、当該商品カードが出た時に、大もうけができ、一気に展開を有利にすることができるでしょう。できれば自分の所持している商品カードの産地を都市として優先的に押えましょう。
この方法は副次的なものです。上の2つに比べて、かなりの熟練を要し確実性に欠けるので、初心者のうちはこの方法で所持金を増やすことは、避けたほうが無難でしょう。
特に、悪化の際の増え方が最初は10ポイント刻みですが、イエローゾーン、オレンジゾーン、レッドゾーンとなるに連れ、ミザリー一段の悪化ポイントが大きくなるのに留意してください。
では、次にミザリーをコントロールする方法を挙げてみましょう。
文明の項でもふれましたが、この条件が通常ミザリーを軽減するうえで最も基本的、かつ確実な方法です。初心者の皆さんはまずこの方法を目指しましょう。この条件があって初めて、文明のミザリー軽減ポイント(MR)や所持金の消費により、ミザリーを1段階軽減することが可能になります。あとは2段階、3段階と揃えていくことをまず基本戦略としましょう。
文明の中にはミザリーを軽減するものがあります。しかし、この方法は主に中盤以降にとられる方法で、効果も一時的なものも多く、副次的なものとして考えましょう。さらに宗教関係の文明は購入の際にミザリーの悪化を伴います。注意が必要です。
イベントカードには、ミザリーを軽減するものはありません。したがって、自分のミザリーをできるだけ悪化させないように、かつ他人のミザリーは悪化させるようにイベントカードを使うのが効果的です。これについては、イベントカードのところで少しふれてみましょう。
ただし、リーダーカードは、プレイしたターンのみしか効力がありません。よって、リーダーを使う時には、そのターンで自分が購入する文明の割引を持っている時に使ってください。さもないと、他人に利用されるだけに終わるかもしれません。
なお、あるターンのうちで最初に出したリーダーカードのみは、他のプレイヤーが利用できないことにも注意が必要です。
みんなが不幸になるカードは、自分が最も都合の良い時(グレインの産地をたくさん持っている時のFamineなど)に使いましょう。勝っているプレイヤーを蹴落とすためには、個人攻撃のカード(Civil Warなど)を使いましょう。
先ほども述べましたが2ターン目までの十字軍などの一部の例外を除いて、他のプレイヤーを困らせるカードばかりです。自分に最も効果的であるという使い方を、自分なりに考えて使うことしかコツはありません。自分の考えでプレイするということが最も如実に現れるカードです。自信を持って使いましょう。
例え、結果的には自分の使ったカードが自分の負担になったりしても、これは状況が全部見えないゲームなのですから気にする必要はありません。他人に左右されて、結果後悔するなら、自分の考えでプレイして後悔したほうがましですし、今後の自分のためにもなります。
いくら高額の商品の生産地に都市をたくさん持っていてもその商品カードがもう無ければ、都市による収入しか期待できません。それでは到底勝つまでには至りません。急がば回れとも言いますが、面倒でも、カードのチェックは欠かさないようにしてください。最初から全部覚えるのが難しければ、高額商品(ファー以上の商品)は、少なくとも残り枚数を調べておくことをお勧めします。
しかしここまで読んでこられた方は、少なくとも序盤戦には何をすべきか判っているかも知れません。すなわち、所持金を確実に増やすため、トークンを購入して配置し、都市を得ることが目的となります。この時極力競争は避けたほうが良いです。
同じ都市をとるのでも、競争の場合はトークンが倍以上必要になるからです。最初の所持金が40$で、しかも、首都入札にいくらかの金を注ぎ込むと、トークンの購入数がかぎられてしまい、結果として都市数が増えず、大きく出遅れてしまいます。
このようなことは絶対に避けねばなりません。
一般に序盤はトークンを配置できる距離がかぎられているために、指針となる作戦は予め立てることができます。もちろん3ターン目までに十字軍が出されて、大きく展開が狂うこともありますが、ここでは一般論として国毎の簡単な戦略指針を述べてみたいと思います。
ここでは、一応6人プレイを想定しています。マップ(初期配置と1ターン目想定図)をよく見るとおわかりでしょうが、パリ、ハンブルグ以外の4国は船を購入し、前記2国はキャラバン(文明)を買っています。なお、ここに表示されている地図のマップ画像の著作権はぺいるGさんにあることをお断りしておきます。
ベニスはマップ左(初期配置)をご覧になるとわかるように、ジェノアに非常に近い位置にあります。したがって、ジェノアとの競争は極力避けねばなりません。
基本的には、1ターン目、2ターン目は船を購入し、東方に進出するのが良いでしょう。高額商品の生産地の多い黒海や東地中海に最も近い位置にいます。この有利さを生かしてプレイすることはもちろんです。
但しジェノアとの境界線は、きちんと決めるべきです。ベニスだけが良い土地を占めてしまうと、ジェノアはそれを奪いに来るかもしれません。互いにこのようなことは避けましょう。序盤の主要産物であるクロースにもよりますが、少々首都入札でお金を注ぎ込んでも充分元が取れる国です。
ジェノアも東に進出するのが良いでしょう。序盤はベニスとの友好関係も欠かせません。ただ、ベニスと違って、比較的トークン数を要する都市を周りに抱えているだけに、東への進出速度がベニスに遅れるのはある程度仕方ありません。
やはり船を1、2ターン目では購入し、地中海の北方はある程度犠牲にしても、北アフリカに進出して、領土拡大を目指すのが得策です。主要産物のストーンは、効率が悪いものの、エポック1に2枚商品カードがあり、かなりの確率で出てきます。
西にいるバルセロナは、序盤の動きが速いため、多少こちらが不利ですが、ある程度は我慢しましょう。西のワインをバルセロナに譲る代わりに、速力を上げるという作戦も考えられます。
また、北のパリと極力争わないようにしましょう。パリは1ターンで陸への出口がほぼ封鎖される(マップ左参照)ため、こちらに来られては損です。バランス感覚に優れたプレイヤーの国といえるでしょう。
バルセロナは、周りの都市の必要トークン数が少なく、序盤戦ではもっとも都市が増えやすく有利な国です。
この国も1、2ターンは船を購入して、イベリア半島から北アフリカ、中央地中海を目指しましょう。ジェノアとの友好関係にあまり序盤は配慮する必要はありません。進出速度が速いのを生かして、積極的に地中海にうってでましょう。
ただ、北のパリとは友好関係を保つよう努めましょう。周りの都市の必要トークン数が少ないということは、他国の競争の対象にされやすいということと等価であるからです。
主要産物はウールなので、産物が同じロンドンと協力して、ウールのカード(エポック1に2枚ある)を回転させて、リードし逃げ込みをはかりましょう。典型的な先行逃げ切りタイプの国です。
ロンドンは、島国のためあまり最初の外交交渉は必要ありません。サンマルをどうするか、パリと決める位でしょう。
なお、アムステルダムには何とか1ターン目にトークンを置くよう努めましょう。ここが北欧進出の拠点になります。あとは、バルセロナと協力して、ウールを回転させできるだけ早く探険の文明を獲得し、外洋に乗り出すことを考えましょう。外交交渉の能力が序盤あまり必要とされない点で、マイペースのゲームを進めたい人に向いているでしょう。
パリはアグレッシブにいく必要があります。マップ右(1ターン後想定図)をご覧になるとわかりますが、1ターン後にほぼ進出口が閉ざされてしまいます。従って、周りの国々に攻め込む(競争)ということをしなくてはいけません。
また進出する都市が主に内陸のため、1ターン目に文明のキャラバンを買う必要があります。これに20$費やすため、これまで述べた国と違って、首都入札にそれほど金額をかけられません。四方に敵国を抱えていて、不利に見えますが序盤のうちにうまく交渉してしまえば、なんとかなります。
また、他国の恨みをできるだけかわないよう、周りの特定の国ばかりを攻撃せずに、各国から都市を少しずつ奪取して、領土を広げるのが得策です。バルセロナとは逆で、序盤は戦い(競争)が続いて伸び悩む傾向にありますが、いったん奪取した内陸の領土の防御は固いので、長期戦での差し切り、追い込み型の人に向いている国です。
ハンブルグは、パリに近いうえに海岸線が長く、パリほど防御は固くありません。また、主要産物もティンバー以外はこれといって、めぼしいものはなく、また高額商品の生産地からも最も離れています。パリと最も長い国境線を有しているのもマイナス材料です。
しかし、パリが序盤苦しいのは、前述の通りなので、パリの領土をいくつか分けてもらう代わりに、パリと序盤は不可侵条約を結んでいることが必要でしょう。
1ターン目にキャラバンを買う必要があるのは、パリと同じで、首都入札にほとんどお金をかけられないのが実態です。
ゲーム中はじっと黙っていて、4コーナーで内側をすくって勝つ方法が主体となるため、初心者には不向きな国といえるでしょう。
中盤とは、上図以降のように、ほぼマップが埋まってきた状態をからと私は定義し、だいたい4ターン目以降のことを意味します。この時点で現在以上の都市を獲得するには、他国の都市を奪うか、海外領土(極東、新世界)に進出する必要があります。
ここからは各国毎の戦略はありません。国境の無い戦いとなります。よく誤解されることですが、領土が広いと何となく勝っているように見えたり、自国の首都のあるエリアをも守ったりする初心者の方をよく見かけますが、それらのことはこのゲームでは重要ではありません。
先にも延べたように、勝利条件と都市の数は最終的には関係ありません。中盤では、主に自分の持っている商品カードの都市を取って、カードでお金を稼ぎ、リーダーカードを使ってできるだけ安く文明を手に入れるといった、これまでに申し上げてきた事項を実践する時です。
なお、このゲームでは、非常に攻撃側が有利です。順番が一番であれば9割くらい競争に勝てます。最後でも4割以上勝てます。この時期は思い切って、しかも、目的を持って、他国を攻撃してみることが上達の近道であると思います。
本当はもっと早く見定めれば良いのですが初心者の方はこの時点で結構です。だんだん早くわかるようになってきます。
誰が勝っているのか。の問いには再び勝利条件を思い出しましょう。そう。3つありましたね。特に文明をまずカウントしましょう。他国がどのような文明を購入しているか、きちんと記録するように努めましょう。くどいようですが文明ポイントは必ず勝利ポイントに加算されます。これをしっかり記憶してください。
それから高額商品の生産地を誰が多く押えているのか盤面全体をよく見ましょう。ここで記録しておいた残り商品カード(特に高額の)の枚数が役立ちます。何よりも、高額商品の生産都市をおさえるよう画策しましょう。
なあに、最初から完璧になんかできっこありません。しかし、試みないといつまでたっても同じ手法で負けてしまいますよ。そんなことにならないようにしてください。
もし、ご意見、ご感想などありましたら、メールや掲示板にてお願いします。ではまた、みなさん、ゲームの前でお会いましょう。