1890 (同人)
なんて怖くない(文章の著作権者TTB)1.このチャプターの起稿にあたって
1830に代表される18XXシリーズなどのプレイに関しては、一般に長時間ゲームであること、またルールが抽象的なこと等により、せっかく名ゲームなのに、中途でプレイから脱落してしまったり、楽しめないゲームに長々と付き合わされて、このてのゲーム全般が嫌いになることが往々にしてあるようです。18XXシリーズがいいゲームだな、と思っている私にとって、困ったことです。
なお、これは、エイジオブルネッサンスをプレイしようと同様に「私個人の意見」であることは予めことわっておきます。デザイナーやデベロッパーには全く関係のないことを述べておきます。
あくまでも、私のプレイ経験(1998年10月現在)に基づいておりますのでご了承ください。
また、このチャプターは、私なりの1890のプレイ解説を通して、18XXシリーズに親しんでもらうことを目的にしております。
直接の動機は、横から、このゲームを観ていて、異世界の人みたいに思われるのが、嫌だったということもあります。
2.事前にわかっていてほしいこと
いきなり、わかってほしいと言われても困られるかもしれませんが、でも、当然ルールが判らないと困りますし、必ずしもマニュアルには書いてないことがあるので、留意点を少々書きたいと思います。
プレイ時間が一定していません。長時間になるかもしれませんし、短時間で終了する可能性もあります。これは終了条件が、誰か一人のプレイヤーが破産した場合、または銀行が破産(銀行には最初12000円あります)であるため、展開によって全くプレイ時間が異なります。
慣れるまでは、時間制限(ある時間がきたら終了)やあるフェイズまで(例えば5列車が出れば終了)などと決めておくのも一法と思います。
プレイヤーの秘匿できる情報がほとんどありません。したがって、現在、他人がどのくらいの勝利ポイントを持っているか、ほぼ確実に把握することができます。
従って、現状、リードしている他のプレイヤーに対し共同して立ち向かうなどの戦略が必要になります。
このゲームは偶然の要素が全くといっていいほどありません。
初心者が熟練者に1度で勝つことは、まずできません。
俺は負けるのが嫌いだ、と、いう方にはこのゲームはお勧めしません。他にもゲームは沢山あるのでそちらをやりましょう。
ここでは、18XXシリーズを全くやったことのない方を想定して、極力、テクニカルターム(専門用語)の説明などを中心に、プレイの一助とすることを目的としています。そうでないと、プレイ人数増えないですからね。
ゲーム一般に言えることですが、ゲームしているのはプレイヤー自身です。自分のために行動しましょう。
その結果負けたとしても、もともと6人プレイの場合は勝てる確率が6分の1しかないので、しょうがありません。
むしろ、マルチゲームの場合は如何に勝とうとして負けるかという過程が重要です。自分の考えで行動し、その結果負けたとしても、悔いは残りません。
世の中には、いろいろアドバイスしてくれる「親切な」人がいるかもしれません。このゲームに限りませんが、所謂、「教えたがりの人」もいます。その言を聞く耳を持つことは大切ですが、そのとおり行動する手は必ずしも持つ必要はありません。
他人のせいで負けたという人も散見しますが、これも誤りで「自分のために」を実践していれば、この様なことは起こらないはずですし、本当にそう思っても極力、口に出さないで下さい。これは、私からのお願い事項です。
このページの先頭に戻る○の中には、神戸、大阪、京都などゲーム開始時に、既に都市としてのその体裁を整えているものがあります。これらには、後述する列車を運行したときに、得られる収益がマップ上に白丸で小さく記入されています。(例:神戸のヘクスにはゲーム開始時に○で小さく30と記入されています)
さて、ヘクスの中には、¥80、¥120など値段が書いてあるヘクスがあります。これらは、そこに線路を敷設(具体的にはゲーム付属のタイルを置くことです)するために必要な費用です。これらは、山地のトンネル、川の鉄橋、そして都市の再開発費用です。(例:大東、四条畷のヘクスには、¥80と記入されるているので、¥80を鉄道会社が支払えなければ、このヘクスに線路が敷けません)
鉄橋の話が出たので、川についても説明しましょう。川はヘクス辺に沿って流れている場合、その方向に向けて線路を敷設できません。また、海と周辺の緑の地域についても同様です。(例:淀川は、渡れる場所が非常に限られるていることが判ると思います)
欄外にある赤の矢印には、線路を敷設でき、1つの○の都市と読み替えて下さい。収益の数値が3種類ありますが、最初は左端、5列車が購入されると中央、ディーゼルが購入されると右端の数値になります。(例:姫路は、最初の収益¥40、5列車購入で¥50、ディーゼル購入で¥70と収益が変化します)
ヘクスの周囲が黄色のものは既に黄色のタイルが置かれているものとして、その上へのタイルの敷設には、緑のタイルを使います。(例:京都)
これも、初心者には馴染みがないと、わかりにくいと思うので、ここで、それについて説明することにしましょう。
列車にはその購入価格が明記してあります。鉄道会社はその購入価格を銀行に支払って、購入することができます。また、列車を所持していない鉄道会社は、列車を購入する義務があります。(例:阪急電鉄は、¥80と記されている2列車を¥160銀行に支払って2両購入しました)
列車の番号は、その列車が利用できる都市の数を表します。2列車なら都市を2つ、3列車なら都市を3つ、というふうに使用することができます。2−2列車は2つの都市○と2つの小都市●まで使用できます。3−3列車も同様です。これにより、使用した都市の収益(前述のマップにある都市の小さい○で囲まれた数値)を会社にもたらします。ディーゼル列車は、この使用できる都市数が無制限です。(例:河南鉄道は2列車を1両所有しています。そこで、大阪南と柏原をつなぐ線路を使うことにします。大阪南は40、柏原は20の収益があるので、40+20=¥60の収益があがります)
列車は、原則として、数値の低いものから順に購入されていきます。このことは時代(時間)の進捗を表しているのですが、ある程度時代が進むと、古い車両から順に廃棄されます。1890では、どこかの鉄道会社が、4列車を購入すると、2列車は廃棄されます。同様に5列車の購入で2−2列車が、6列車では3列車と3−3列車が、そしてディーゼル列車で4列車がそれぞれ直ちに廃棄されます。(例:南海電鉄が¥300で、4列車を1両購入しました。このとき、所有者が誰であれ、直ちに全ての2列車は廃棄され、再びゲームには登場しません)
株式は、個人会社(有馬鉄道、神戸市電、阪堺電鉄、二国電鉄、京津鉄道、大阪市電)、小会社(河南鉄道、大阪電気軌道、大阪電鉄、奈良電鉄、神戸電鉄)、後発会社(京福電鉄、泉北高速鉄道、北大阪急行、神戸高速鉄道)、公共会社(JR、大阪市営地下鉄、近畿日本鉄道、南海電鉄、京阪電鉄、阪急電鉄、阪神電鉄、山陽電鉄)で構成されています。
このうちの公共会社8社を除く、株式は1枚だけです。公共会社の株式は1枚で20%のシェアのある社長株1枚と、10%の普通株券8枚で構成されています。
株式は、株式ラウンドの自分の手番に1枚購入できます。購入価格は後発会社の株式については、左上の数値(額面価格)で購入できます。(例:プレーヤーAは、株式ラウンドの自分の手番に京福電鉄を買うことにします。銀行に同社の額面価格¥200を支払って、その株を手に入れます)
公共会社の株に関して、まだ1株も買われていない場合は、最初に買うプレイヤーがその株価を決定することができます。公共会社の株価は、最低¥65から最高¥100(¥5〜¥10きざみ)で設定できます。この時は、社長株(20%)しか購入することができません。言い換えると最初に社長株を所持する者が値段を決められます。(例:プレーヤーBは、まだ誰も購入していない南海電鉄の株を¥65で購入することにします。このとき、銀行に¥65の2株分の¥130を支払って、南海電鉄の社長株を手に入れます。さらに購入された株が最初いくらであったかを示すために、南海の株式マーカーを株価チャートに置きます)
既に誰かが値段を決定している株を銀行から購入するときは、その最初の決定価格で購入することができます。(例:プレーヤーCは、Bが購入した南海電鉄の株式を購入することにします。銀行に¥65支払って南海電鉄の株券を手に入れます)
株式は、株式ラウンドの自分の手番の時に、株式を売却することができます。売却できるのは公共会社の株のみで、他の株は売却することはできません。また、購入と異なり、複数の株を売却することができます。売却された株式は、銀行には戻らず、公開市場に放出されます。この時、売却された株数だけ、当該会社の株価チャートのマーカーを下にさげます。但し、公開市場に置くことのできる1社の株式は5枚までなので、この制限を超えて売却することはできません。
また、株式の購入は、手番で同時に行えますが、いったん売却した会社の株は、同じ株式ラウンドの間は、購入することができません。(例:プレイヤーDは、所持する阪急電鉄の株を2枚売却することにします。阪急電鉄の株価チャートにおいてあるマーカーは、現在¥70なので、銀行から¥140受け取って、株を公開市場に置きます。そして、マーカーを2つ下に下ろします)
公開市場にある株を購入する場合は、その時の株価マーカーのある値段で購入できます。購入されても、株価に変動はありません。この購入も自分の手番に1枚だけです。(例:プレイヤーEは、Dが売却した阪急電鉄の株を、公開市場から購入しようとします。時価は、¥60になっているので、銀行に¥60支払って、株券を受け取ります)
株式ラウンドで、自分の手番にパスすることができます。全員がパスをしたら、株式ラウンドが終了し、運営ラウンドに移行します。この時、最後に株式の売買を行ったプレイヤーの次のプレイヤーが、次のターンの株式ラウンドの1番(プライオリティ)となります。
この後、公共会社の設立チェックをします。公共会社の株が5株以上購入されると、当該公共会社は設立されたことになります。設立された公共会社のうちで最も高いシェアをもっているプレイヤーが社長となります。(基本的に同一会社の株式の保有制限は60%です)同シェアのプレーヤーが複数の場合は、社長株を持っているものが社長となります。
また、公共会社のうち株式がすべて、プレイヤーに売却されているものについては、マーカーを一段上に上げます。
このように、株式ラウンドは終了します。
まずここでは、鉄道会社の運営の基本手順を説明します。ここの特殊ルールなどありますが、この基本手順をまずしっかりとおさえてください。
線路を敷設(線路タイルを配置)する→駅(一般にトークンと言われます)を配置する→列車を運行する→収益を計算する→社長が配当を行うか無配にするか決定する→列車を購入する
この順序で運営は進められるので、よく留意しておいてください。
この2種類の会社の運営は簡単です。運営に何の前述の手段をふむことなく、運営され収入が入ります。運営ラウンドごとに、株券の右下の額の収入が銀行から支払われます。(例:プレイヤーAは、有馬鉄道と二国電鉄を所有しています。したがって、運営ラウンドごとに5+20=¥25を銀行から受け取ることができます)
小会社運営は、個人会社及び後発会社を運営したあと、駅につけられている順番(1〜5)に、基本手順で述べた順序で行います。但し、新たに配置する駅が無いのと、必ず配当を行うことが決まっているので、その2手順は省略します。(例:プレイヤーBは、河南鉄道を所有しています。彼はまず河南鉄道の駅につながるように線路を敷き、所有する列車を運行します。運行した収益はその半額が会社に、残りは社長であるプレイヤーBに配当されます)
線路の配置は自社の駅につながるようにタイルを置いていきます。他社の駅で埋まっているタイルは通過できません。
小会社には列車保有義務があり、ゲーム開始時は2両まで、4列車が購入されると1両まで列車を保有できます。
公共会社運営は、小会社を運営したあと、株価の高い順番(株価が同じなら右側にある方が先)に、基本手順で述べた順序で行います。
線路の配置は自社の駅につながるようにタイルを置いていきます。他社の駅で埋まっているタイルは通過できません。
駅の配置は1運営ラウンドに1回だけで、行わなくても構いません。もちろん駅の設置料は会社から支払わねばなりません。
その会社が配当すると、株価チャート上のマーカーが右に一つ動きます。(収益を配当することにします。この時、収益を所持している株式で按分して、その時点の株主に分配します。公開市場に残っている分は、会社に支払われます)逆に無配にするとマーカーは左に一つに動きます。(全額が会社に入ります)
公共会社には列車保有義務があり、ゲーム開始時は4両まで、4列車が購入されると3両まで、5列車が購入されると2両まで保有できます。
ゲーム開始時は、1ターンに運営ラウンドは1回です。3列車が購入された次のターンから運営ラウンドは2回、5列車が購入された次のターンから運営ラウンドは3回になります。
運営ラウンドが規定回数終了すると、次のターンになり、株式ラウンドになります。
終了条件は、誰か1プレイヤーが破産する。(列車の保有義務によって、会社に十分な列車購入費用が無い場合、社長は、自分の現金、株式の順に購入費用を捻出しますが、これが充当できなくて破産する場合が最も多いです)または、銀行(¥12000あります)が破産したときです。
終了時に最も資産の多いプレイヤーが勝利です。公共会社の株式は時価、その他の株式は額面金額で評価します。これに個人の所持金が加えられて、当該プレイヤーのポイントが決定されます。
会社に残っている現金はまったく勝利には関係ないので、注意して下さい。
慣れてくれば判るようになってきます。前述の個人会社と小会社の最初の並びから、購入者が決まっていきます。アルファベットの順に常に先頭の会社(最初は有馬鉄道)は、その額面で購入できます。途中の会社に値段をつけるときは、最低でも、¥5足してビッドしなくてはならない。既にビッドのはいっている会社にビッドするときは、さらに¥5以上ビッドし直さないと行けないことが留意点です。
まず個人会社をアルファベット順に、次に小会社を番号順に解決するだけです。
もちろん、いきなり、小会社にビッドしても構いません。(例えば、神戸電鉄¥105など)
個人会社と小会社が売れてしまえば、通常の株式ラウンドに移行します。この時、この株式ラウンドでは株式の売却ができないことに注意して下さい。なお、後発会社も、個人会社と小会社が売れた後で購入できます。
所有している個人会社(大阪市電を除く)は、公共会社に売却できます。売却価額は、額面の2倍から半額の間で決めることができますが、初心者のうちは、倍額で公共会社に売却すると考えておいてまず間違いありません。(例:3列車が出たのでプレーヤーAは、自分が社長を務める京阪電鉄に、所有する神戸市電を¥80の最高額で売却します)
空白ヘクスには、黄色のタイル、黄色の上には緑のタイル、その上には茶色と順序を守っておきかえられます。
緑のタイルは3列車が購入されると、茶色のタイルは5列車は購入されると使用できます。
線路の配置は、一般的にはこのように進みますが、一部に制限があり、またそのヘクスがゲーム上重要な地点に当たるためここに項目として独立させます。
まず、空白のヘクスには、黄色タイルを置き、その上からグレードアップするということは述べました。
ところが最初からヘクスの縁が黄色になっているヘクスがあり(たとえば大阪市内)、これらにはいきなり緑タイルを置くことになります。
最初からヘクスの縁が黒色になっているヘクスがあり(例えば谷上)、これらにはタイルを置くことができません。ゲーム終了までこのままです。
マップ上に、個人会社の線路があります。このヘクスの上には、個人会社が公共会社に売却されるか、5列車が購入されるなどで個人会社が閉鎖される間まで、そのうえのヘクスにタイルを置くことができません。
都市によっては、その都市専用のタイルがあります。(神戸など)この時、敷設タイルは、そのタイルしか使えません。
マップ上にXXや、Yなどと記されているものがあります。この場合、XX、Yなどのタイルしか、敷設に使用することができません。。
オプションルールで、線路敷設できる場合があります。(有馬鉄道などがそうです)
したがって、各会社によって、さまざまな特殊ルールがあります。
ここでは一々それに触れるつもりはありません。なぜなら、それらはシートや株券に記載されているからです。
ここでは、1890をとおして18XXシリーズの楽しさを味わってもらおうというのが目的なので、それには、ここまで書いてきた基本事項の実践に十分であると思いますし、いきなり、いろいろなことを覚えられません。
しかしながら、人それぞれにゲームの嗜好は異なるのが当然なので、別にこのゲームをプレイしてみて、あなたの嗜好に合わなければ、また違うゲームをしましょう。
それほどゲームには、たくさんの嗜好に見合うだけの種類があります。私はゲームを人に押し付けること(自分の嗜好を押し付けること)は大嫌いです。皆さん、好みのゲームを楽しんでくれれば幸いと思います。
また、「これこれのこと」がしてみたいんだけど、何か良いゲームはないかな。などのお問い合せにも、私はできるだけ応じております。わからなかったら、他のメンバーに聞いたら、すみますし。皆さん、思い切ってやってみましょう。
もし、ご意見、ご感想などありましたら、メールや掲示板にてお願いします。ではまた、みなさん、ゲームの前でお会いましょう。